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課題チェック②保育園のキャリアパス

キャリアパスや賃金テーブルをしっかり整えて、どういう条件(経験年数・ブランクの有無・労働時間の定め)の人がどういう賃金になるのかしっかり定めている。

■詳しい解説


かつて多くの保育園や幼稚園では保育士・幼稚園教諭は20代前半にバリバリと仕事をして、結婚または出産のために退職される方がほとんどでした。

ごく少数の方が勤続年数を重ね、または、社会福祉法人等の親族の方が、園長と主任になるのが通常で、あとの先生はパート復帰するという流れです。


しかし、時代は変化しています。とくに、 2015年処遇改善等加算Ⅰスタート 2018年保育所保育指針の改定 等を通じて、単に保育士の今年度の賃金をアップしてあげよう!というものではなく、「保育の充実、質の向上」「質の高い幼児教育を全国どこででも同じ水準で確保できるようにする」という目的があり、そのためには保育士・幼稚園教諭のキャリアパスもしっかり考える必要があるのです。

とくに処遇改善等加算Ⅰは、キャリアアップの取り組みに応じた人件費の加算あり、 処遇改善等加算Ⅱは技能・経験に対する追加的な人件費であって、これに応じるためには、しっかりとしたキャリアパスと連動した賃金テーブルが必須となります。

一方実務の現場においても、かつてのように結婚退職をされる方は減っていて、育休復帰後に時短勤務し、その後またフルタイム勤務に戻る方がほとんどです。

そうした方々の中には「このままこの園で働いて、どういった処遇になっていくのだろう?どういう教育があるのだろう?」と考えていますし、「将来の見通しが立たないのならば今のうちに転職しようかな」と退職にもつながりかねません。

ですので、保育の質・処遇改善等加算の対応・実際の職員の皆さんの考えという3つの方向で、きちんと運用可能なキャリアパス・賃金テーブルを整えて、運用する必要があるのです。

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