【こども性暴力防止法連載コラム】第8回:
運用開始後の義務「定期報告」と「監査・監督」への備え
こども性暴力防止法に関するコラム第8弾、最終回をお届けします。
今回のテーマは、制度運用を継続していく上で避けては通れない「定期報告」と「監査・監督」についてです。こども性暴力防止法の体制は、一度整えたら終わりではなく、その後の適正な運用が国や所轄庁によって厳格にチェックされます。
実務担当者が「いつ、何を、どこまで」報告・準備すべきか整理しておきましょう。
第8回:運用開始後の義務「定期報告」と「監査・監督」への備え
対象事業者は、犯罪事実確認の実施状況や安全確保措置の運用について、定期的に国へ報告する義務があります。また、必要に応じて所轄庁による立入検査等も行われます。
1. 「定期報告」の時期と方法
報告は原則として「こども性暴力防止法関連システム」を通じてオンラインで行います 。
- 学校設置者等(義務対象):毎年1回、4月末日を基準日とし、5月末日までに報告します(令和10年度から開始) 。
- 認定事業者等(民間):認定日から1年ごとに、その前月時点の状況を報告します 。
2. 報告すべき具体的な内容
主な報告事項は以下の通りです。原則としてこども性暴力防止法関連システムを介してオンラインで行います。
| 主な報告項目 | |
|---|---|
| 犯罪事実確認 | 対象者一覧、実施済件数、特定性犯罪事実該当者の数、「いとま特例」の適用数と措置内容 。 |
| 安全確保措置 | 日常観察、面談・アンケートの実施状況、研修の受講状況、相談窓口の周知状況 。 |
| 事案発生時対応 | 対象期間中の調査実施件数、被害児童への保護・支援の内容、加害側への防止措置(配置転換等)の結果 。 |
| 情報管理 | 管理責任者の選任、情報管理規程の遵守状況、自己点検や監査の実施結果 。 |
3. こども家庭庁および所轄庁による「監査・監督」の観点
国(こども家庭庁)と所轄庁(自治体等)は連携して監督を行います 。特に以下のポイントが重点的にチェックされます。
- 確認漏れはないか:全ての対象業務従事者に対し、期限内に犯罪事実確認を行っているか 。
- いとま特例の適正性:「やむを得ない事情」に該当するか、確認が済むまで「原則一対一にさせない」等の措置が徹底されているか 。
- 「不適切な行為」への対応:疑いを把握した際、独自のルール(対処規程)に基づいて適切に調査や指導が行われたか 。
- 情報の適正管理:犯歴情報を取り扱う者を最小限に絞っているか、不要になった情報を30日以内に確実に廃棄しているか 。
4. 帳簿の備付けと保存
報告の根拠となる「帳簿」を毎年度作成し、5年間保存しなければなりません 。システムを利用していれば大部分は自動保存されますが、離職者の廃棄記録などは漏れがないよう管理が必要です 。
ワンポイント・アドバイス
監査で最も指摘を受けやすいのは、「規程はあるが、実態(記録)が伴っていない」ケースです。
アンケートの結果、研修の受講名簿、いとま特例適用時の「一対一回避」のシフト表などは、いつでも提示できるよう整理しておきましょう。
また、「定期報告」を怠ったり虚偽の報告をしたりすると、50万円以下の罰金や認定取消しの対象となります 。組織全体でコンプライアンス意識を高める機会にしてください。
全8回にわたり、こども性暴力防止法のポイントを解説してきました。
こどもたちの笑顔を守り、職員が誇りを持って働ける環境づくりのために、本コラムが少しでもお役に立てれば幸いです。
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