【こども性暴力防止法連載コラム】第7回:
「情報管理規程」の作成・提出と機密情報管理の鉄則
こども性暴力防止法に関するコラム第7弾をお届けします。
犯罪事実の確認は、情報を得て終わりではありません。その情報の「適正な管理」「禁止事項」「確実な破棄」までがセットで義務付けられています。今回は、情報管理について解説します。
第7回:「情報管理規程」の作成・提出と機密情報管理の鉄則
こども性暴力防止法では、性犯罪歴という極めて機密性の高い「特定性犯罪事実」を取り扱うため、学校設置者等および認定を受けた民間教育保育等事業者に対し、非常に厳格な情報管理措置を義務付けています。その実務の要となるポイントを整理しましょう。
1. 「情報管理規程」の策定と提出の義務
対象事業者は、犯歴情報を適正に管理するための「情報管理規程」を定め、遵守しなければなりません。
- 民間教育保育等事業者の場合:認定申請時の必須要件として規程を提出します。
- 学校設置者等(義務対象)の場合:一人目の犯罪事実確認を行う前までに、システムを通じて規程を提出する必要があります。
- 重要!:規程を提出していない、あるいは内容に不備がある場合、国からの是正命令の対象となり、改善されるまで犯罪事実確認書の交付が受けられなくなります。
- 変更の届出:規程内容を変更する場合は、あらかじめ変更届の提出が必要です(軽微な変更を除く)。
2. 犯罪事実確認記録等の「適正な管理」
情報を適正に管理するため、以下の措置が具体的に求められます。
- 管理責任者の選任:取扱いを統括する責任者を必ず設置します。
- 取扱者の最小化:情報に触れる職員を「業務上必要最小限」に絞り込み、権限を厳格に限定します。
- 物理的・技術的安全管理:
- 閲覧するPCのウイルス対策や最新OSの維持。
- アクセス制限のかかったフォルダや、施錠できるキャビネットでの保管。
- システム外でのコピーや書き写し、紙での保存を極力避ける運用の徹底。
情報管理措置は、「組織的情報管理措置」「人的情報管理措置」「物理定情報管理措置」「技術的情報管理措置」と様々な措置を講じる必要があります。詳しくはガイドラインP247~267をご参照ください。
3. 「目的外利用」と「第三者提供」の絶対禁止
照会で得た「犯罪事実確認記録等」は、法律で定められた例外を除き、犯罪事実確認や防止措置(配置転換等)以外の目的で利用したり、第三者に提供したりすることは固く禁じられています。
- 禁止される例:他の職員への漏洩、本人の同意のない他社への提供、不当な目的での利用など。
- 罰則:業務上知り得た情報を不正に提供したり、みだりに他人に知らせた場合、刑罰の対象となります。
4. 犯罪事実確認記録等の「廃棄・消去」のルール
情報は持ち続けてはいけません。以下のタイミングから30日以内に、復元不可能な方法で確実に廃棄・消去しなければなりません。
- 5年経過:確認日から5年を経過した日の属する年度の末日。
- 離職:対象業務従事者が退職したとき。
- 不採用:採用内定者を採用しなかったとき。
- 事業廃止:対象事業者に該当しなくなったとき。
5. 漏えい等の「重大事態」が発生したら
万が一、犯歴情報の漏えいや紛失が発生した(またはそのおそれがある)場合は、直ちにこども家庭庁へ報告しなければなりません。また、特定性犯罪事実がある方の情報が漏れた場合には、本人への通知も必要となります。
ワンポイント・アドバイス
特に注意すべきは「離職後の破棄」です。退職者の情報を「念のため」と保管し続けることは法律違反となり、50万円以下の罰金刑に処される可能性があります。
また、学校設置者等で「施設等運営者(指定管理者など)」がいる場合や、民間教育保育等事業者で「共同認定」を受ける場合は、両者の役割分担(どちらが破棄まで責任を持つか)を規程に明記し、双方が合意した上で情報管理規程を提出してください。
規程は、万が一の事故の際に事業者が「法的義務を果たしていた」と証明する唯一の盾です。ガイドラインをよく確認し、社内でルール作りを行っていきましょう。
セミナーのご案内
保育イノベーションでは、「こども性暴力防止法&カスハラ対策セミナー」を開催致します。ご興味のある法人様は、是非ご参加ください。
Peatix:https://workinnovation20260311.peatix.com/
HP:https://hoiku-innovation.com/contents/seminar/20260311-2/


