【こども性暴力防止法連載コラム】第4回:いよいよ実践!犯罪事実確認の具体的な手順と実務のポイント
こども性暴力防止法に関するコラム第4弾をお届けします。
今回のテーマは、本制度の核心である「犯罪事実確認」の具体的な進め方です。採用の実務にも直結する部分ですので、フローをしっかり押さえておきましょう。
第4回:いよいよ実践!犯罪事実確認の具体的な手順と実務のポイント
「犯罪事実確認」とは、対象業務に従事する職員が「特定性犯罪事実該当者(刑の執行終了から20年以内の者など)」であるかどうかを、国を通じて確認する手続きです。
2024年より、教育職員等又は保育士を任命し、又は雇用しようとするときは、教員性暴力等防止法第15条第1項の 「教員性暴力等防止法データベース(教員DB)」 又は児童福祉法第18条の 「保育士特定登録取消者管理システム(保育士DB)」 を利用し、児童生徒性暴力等を行ったことにより教員、保育士の登録を取り消された者(特定登録取消者)でないか確認を行っているかと思います。この制度で確認をしていたとしても、こども性暴力防止法による「犯罪事実確認」が必要になりますので、ご注意ください。
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照会開始のタイミングと対象者
事業者は、こどもと接する業務の職員について、雇入れや配置転換の際、過去の性犯罪歴の確認が必要となります。また、現在雇用されている職員についても確認が必要であり、5年ごとに再確認も行う必要があります。新規採用の場合は、“内定を出してから”犯罪事実の確認を行うことができます。内定前には行うことができません。
対象者 犯罪事実確認の期限 1. 新規採用・配置転換 内定・内示等から従事開始までの間に確認 2. 義務事業の現職者 法施行から3年以内に確認 3. 認定事業の現職者 認定から1年以内に確認 4. 一度確認を受けた者 5年ごとに再確認 -
犯罪事実確認の具体的ステップ
手続きは、事業者と職員本人の双方が「こども性暴力防止法関連システム」を通じて行います。
ステップ①:事業者による交付申請
事業者がシステムにログインし、以下の情報を入力・提出します 。
- 職員の氏名、生年月日、住所、性別。
- 従事予定日、業務内容、勤務場所。
- 添付書類:雇用契約書や内定通知書の写しなど(業務に従事することを証する書類)。
ステップ②:職員本人による情報提供(プライバシーの保護)
犯罪歴という極めて機密性の高い情報を扱うため、本人確認と戸籍等の提出は原則として職員本人が直接国に対して行います。
- 本人がマイナンバーカード等で認証し、システム上で本人特定情報(氏名、出生、本籍、戸籍情報等)を提供します。
- 本人が希望する場合は、事業者を経由して提出することも可能です。
- 本人による情報提供は、事業所ごとに行う必要がありますので、転職した際にはその都度、情報提供が必要です。
ステップ③:審査と事前通知
国(こども家庭庁)が法務大臣へ照会し、該当性の有無を確認します。
- 「該当あり」の場合:事業者に通知される前に、まず本人に通知されます。本人は内容に誤りがあれば「訂正請求」をしたり、採用を辞退して「中止要請」をしたりする機会が与えられます。
ステップ④:犯罪事実確認書の交付
審査完了後、事業者に対して「該当なし」または「該当あり(裁判確定日等を含む)」が記載された犯罪事実確認書がシステム上で交付されます。
※具体的な手続き方法や必要な様式等については、今後マニュアルにおいて示される予定です。
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急な欠員にも対応できる「いとま特例」
「明日からどうしても人が必要!」という緊急時には、確認を待たずに対象業務に就かせることができる「いとま特例」があります。
【条件】:予見できない急な欠員など、やむを得ない事情がある場合。
やむを得ない事情として認められる例
- 新年度の入園者数が想定を上回ることが年度開始直前に分かり、短期間に職員を採用し従事させる場合
- 急な病欠や辞職、採用辞退等により、代替要員を採用し、従事させる場合
- 事件・事故が発生し、こどもの心のケアのため急遽支援職を配置する場合
- 欠員が予見されたため、採用活動を継続して行ってきたが応募者がなく、従事予定日直前や、当初の従事予定日を過ぎてから採用できた場合
認められない例
- 定年退職等、欠員が予見できたが、計画的に採用活動を行わなかった場合
- 犯罪事実確認を終えるまでの間、法人本部等でこどもと接さない業務に従事させることとしても、事業運営に著しい支障が生じない場合
【義務】
- 従事開始から原則3か月以内に犯罪事実確認を行う必要があります。
- 確認が完了するまでの間(原則3か月以内)は、その職員を「該当者とみなして」必要な措置(例:こどもと1対1にさせない)を講じなければなりません。
ワンポイント・アドバイス
犯罪事実確認の標準処理期間は、日本国籍の方で2週間〜1か月程度とされています。採用直前に慌てないよう、以下の対応をお勧めします。
- 事前説明の徹底:内定時に「この手続はこどもを守るだけでなく、あなた自身の適格性を証明し、安心して働いてもらうための公的な仕組みである」ことを丁寧に伝えましょう。
- スケジュール管理:採用活動は計画的行い、従事予定日から逆算して、いつまでに本人がシステム入力を終えるべきか案内を出し、進捗を管理する担当者を決めましょう。
また、犯罪事実確認には、以下の書類を添付する必要があります。採用内定通知や雇用契約書等についても用意しておきましょう。
対象 添付書類 ・採用内定者 採用内定通知の写し ・現職者 雇用契約書又は労働条件通知書の写し ・派遣労働者 労働者派遣契約書の写し ・請負労働者 発注者・請負事業主間の請負契約書の写し ・個人業務委託業 業務委託に係る契約書等の写し ・ボランティア ボランティア契約書等の写し
セミナーのご案内
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Peatix:https://workinnovation20260311.peatix.com/
HP:https://hoiku-innovation.com/contents/seminar/20260311-2/

