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コロナに関する休業時における給与の取り扱いについて

新型コロナウイルスの流行により、休園となる保育園・認定こども園・幼稚園が急増しています。
休園・休業した際、職員の給与をどのように支払えばいいか、今一度確認してみましょう。

1.園児や保育士が新型コロナウイルスにり患した場合の休園判断は?
2.新型コロナウイルスにり患し休むことになった職員に対する休業手当は必要か?
3.保健所の特定により「濃厚接触者」となった職員を休ませる場合には休業手当は必要か?
4.家族が濃厚接触者となった職員を念のため休ませる場合は?

 

【1.  園児や保育士が新型コロナウイルスに感染した場合の休園判断は?】

厚生労働省の『新型コロナウイルス感染症対策に関する保育所等に関する Q&A(第十報)』には、保育所等の園児や職員がり患した場合や、地域で感染が拡大している場合には、市区町村の判断の下、臨時休園が行われうると記載されています。
実務上も、保健所と自治体の判断で休園の日数等を決定します。

なお、認可保育園等においては休園期間によって補助金が減額されることはいまのところなく、実務上、職員の皆さんの給与を保障するようにしています。
また、認可保育園では雇用調整助成金の申請はできませんのでご注意ください。

≪参照HP:内閣府HP、 内閣府の政策 > 子ども・子育て本部 > 子ども・子育て支援新制度 > 新型コロナウイルス対応に係る子育て支援について> 新型コロナウイルス対応に係る子育て支援について≫
『新型コロナウイルス感染症により保育所等が臨時休園等を行う場合の公定価格等の取扱いについて』
『新型コロナウイルス感染症により保育所等が臨時休園等した場合の「利用者負担額」及び「子育てのための施設等利用給付」等の取扱いについてFAQ  問28』

 

【2. 新型コロナウイルスに感染し休むことになった職員に対する休業手当は必要か?

新型コロナウィルスに感染した職員が休業する場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないので、労働基準法第26条に定める休業手当を会社が支払う義務はありません。
休業手当を会社が支払う義務はないものの、例えば、コロナに感染し休業しても給与を支払うなど法律を上回る部分に関しては、園が自由に設定してかまいません。ただ一方で、新型コロナウィルスに感染し休んだ職員に対し「ワクチン接種をしていた職員は給与を払うが、接種しなかった職員は払わない」というような差別をすることはできません。

4日以上連続して休業する場合で、かつ、職員が健康保険に加入している場合には、4日目以降は健康保険の傷病手当金を申請することができます。実務上は、傷病手当金を申請せずに本人の希望で有給休暇扱いしている場合も多いようです。
≪参照HP:厚生労働省、政策について > 分野別の政策一覧 > 健康・医療 > 健康 > 感染症情報 > 新型コロナウイルス感染症について≫『新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)』

尚、新型コロナウィルスに感染しているか不明だが、発熱などの症状がある職員について、会社が自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要がありますので、ご注意ください。

 

【3. 保健所の特定により「濃厚接触者」となった職員を休ませる場合には休業手当は必要か?】

濃厚接触者の方が検査の結果「陰性」であった場合は、患者ではありませんが、新型コロナウイルス感染症患者と接触があった日の翌日から14日間は、外出を自粛し、健康観察を行うとされています。
≪参照HP:厚生労働省、政策について > 分野別の政策一覧 > 健康・医療 > 健康 > 感染症情報 > 新型コロナウイルス感染症について≫『新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)』

こちらも「使用者の責めに帰すべき理由」ではないため、休業手当を支払う必要はありません。さらに、濃厚接触者は感染者ではないので、傷病手当金の申請もできません。実務上は、本人の希望で有給休暇扱いまたは可能な範囲でテレワーク勤務をしている場合も多いようです。

また、保健所が「濃厚接触者」との認定をしていない職員に対し会社が自主的な判断で休業させる場合は、やはり「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。

 

【4. 家族が濃厚接触者となった職員を念のため休ませる場合は?】

1)子どもは濃厚接触者であっても、職員本人が濃厚接触者ではないため会社も特に出勤停止を求めていない場合
→ご自身の有給休暇を活用していただくか、欠勤の扱いとなります。

2)職員の身内が濃厚接触者であるという点から、会社も万が一の感染の恐れから職員に出勤停止を求める場合
→「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。

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